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新たな未来、そして今

「​あの人、また一人でどこか行ったのか?本当に自由な人だよな」

「​先輩、夜狩の時めちゃくちゃ厳しいんだよな」

「でも指導は的確でさ、やっぱり夷陵老祖ってすごかったんだろうなあ」

少年達の自分を呼ぶ声に​、ある日の記憶がふとよぎる
​「‪──羨哥哥!」
「魏先輩!」
「ああ、今行くよ」
君がいる、冬の終わり

「君はあまり好まない色かもしれない」

そう伝えたが、分かりやすく顔に出して嬉しさを伝えてくれる

その表情が見れたことに安堵して、自分も腕から愛を伝え返す

少し雑な手つきでじゃれ合い、その兎に見せる笑顔にさえ

わずかな妬心を抱いてしまいそうになる

​ああ、待ち遠しい

こんなに寒いのだから、という若者達の声を振り切ってきた

厳しい寒さをしのぐための外套を身にまとうと、

「この色は好まないかも」と謎の気を使われた事を思い出し、

寒さのせいで強張っていた頬が緩む

今更そんな事を誰が気にするだろうか、本当に可愛いやつだ

強い風が吹くと、寒さを思い出して肩がすくんだが、

寒さも愛しい気持ちに変えてしまえば、なんて事ない

こんな寒さも、お前がいれば一瞬で暖かくなるのに

帰ってきたら一番に迎えてやろう

帰ってきたら一番に抱きしめてやろう

ああ、待ち遠しい!

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