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※一部痛い表現が出てきます。苦手な方はご注意ください。
過信と過ち
絶対に奴を生きてここから出すな!
悪逆非道め!
なんと言う悪辣な
夷陵老祖、魏嬰だ!
貴様が犯した罪は、
どんな理由があっても許されない!
この…悪魔め!
全て貴様の自業自得だと言うのに
どうすればよかった
できると思っていた
自分なら大丈夫だと、制御できると
どこで間違えた 何を踏み外した
どうしようもなく身体が重い
痛みすらも分からない
そこら中に満ちたむせ返るような血の匂いと
己の手から、身体から、瞳から漂う殺戮の匂い
そこに大差などなく、ただ在るのは紅が語る事実だけだった
「──嬰、…──を…」
何か聞こえた気がした
人の声なのか、獣の鳴き声か
罵声に慣れてしまった耳にはもう、声も想いも届かない
「───魏無羨が死んだぞ!こりゃ愉快だ!」
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